おばあちゃんの家に向かうため、車に同乗させてもらった。
お店の窓から見ていた時には分からなかったが縦長だった。
これは、俗に言うリムジンってやつだった。
紗綾に教えてもらった。
着いた場所は想像もしていなかったところだった。
近代的な建物がそこにはあった。
なんとかいう外国の建築家が設計した建物らしい。
紗綾があとで教えてくれた。
門から玄関まで車で一分は掛かった。
玄関は自動ドアだった。
中に入ると、映画で見たような洋風の花瓶や
絵がいっぱい飾ってあった。
見とれてしまった。
どれもこれもが見たこともない高級品ばかりだった。
通された部屋は天井が身長の三倍はあった。
幅は陸上部がダッシュできるほどの広さだ。
座ったソファは体重が気になるぐらいのフワフワ感があるものだった。
座ったと同時に紅茶とケーキが出てきた。
どれも手作りらしい。
ケーキは分かるが紅茶も手作りって、どんなとこだここは。
などと篝とハシャイでいる間にも智恵理はおばあちゃんと話を進めていた。
「それであれはこちらにあるんでしょね」
ニコッと笑う。
「ありますよ」
「なにが?」
ノー天気な篝の発言。
「台本ですよ」
「台本?」
「そう“虹色の羽根”の初版本」
「えええええええええええええええええええええ」
篝が反応した。
「本当?・・・・なの?」
智恵理が頷く。
篝がおばあちゃんを見て、私を見た。
見られて、慌てて驚いた顔をした。
全員、その演技はヘタクソの極みだった。
アニメで出てくるような執事の格好をした老人が、
おばあちゃんに一冊の本を手渡した。たぶんあれが台本だ。
「どうぞ」
それは篝に渡された。篝はマジマジと台本の表紙を眺めていた。
かなり古い物だけどきれいだった。
ちゃんと保管されていたのがわかる。
開いてみる。古い紙のにおいがした。
そこに書かれてあった文字は、
昔で言うガリ版に墨を落とし刷ったものだった。
文字も昔の旧字があり、読めないものもあった。
篝は黙ったままページをめくっていった。
一枚一枚、丁寧にめくっていった。
そして、90ページ目で篝の手が止った。
気がついた。と、思ったら次のページをめくっていた。
(スルーした)
みんな、一瞬目が見開いた。
すると紗綾が、
「私にも見せて」
と、篝から本を取り上げた。
「なになに・・・・」
と、言いながらページをめくっていく。
それを、ただじっと見ているしかなかった。
「あれ?」
急に紗綾がしゃべった






つづく