作戦は翌日の放課後から決行された。
まず、智恵理がみんなを旅行に誘う。
「そうだ、篝さん」
「なあに?」
「みんなで旅行行きません・・・・」
「いいね。舞台が終わったら行こうか」
「じゃなくて、今週末なんですけど・・・・」
「ええ、それは無理だよ。まだ稽古が残ってるし」
「なに、なに」
紗綾が口を挟む。
「うんんんん、しょうがないよ。期限切れしちゃうんだから」
うまい。さすが紗綾。
(褒めてくれてありがとう)
しまった。また心を読まれた。
「私も行きたい」
紅愛はキャラに無い行動をした。
ちょっとおかしかった。
篝は難しい顔をした。
「陽子ちゃんはどう思う?」
来た。
「私は行ってもいいと思うよ。
ここのところ舞台のことでみんな大変だったし、
一日や二日ぐらいだったらいい息抜きになると思う」
言えた。ホッとする。
篝は少し考えて言った。
「よし、行こう」
みんな顔を見合わせて喜んだ。
作戦その1成功。
その日。
稽古終わりでファミレスに寄った。
図書館から借りてきた宮崎のガイドブックを見ながら旅行プランを練った。
行くと決めてから篝は仕切り始めた。
が、我々には目的がある。それに沿ったプランが必要だ。
だが、篝の機嫌も損なってはいけないので、うまく調整しなくてはならない。




つづく