帰り道、まだワクワク感が抜けないでいた。
特に智恵理は同じことを繰り返し、繰り返し話していた。
 篝以外全員、誰も演劇には興味なかった。
仕方なくはじめたこと。
私は無理やりだし、紅愛は自分の国、いや星が危ういから。
智恵理は紅愛を監視、そしてアクアの技術を盗むため。
紗綾は良く分からない。
宇宙人か神様のきまぐれなんだろう。
それが今はみんなが演劇に夢中になってきている。ワクワクしている。
商店街を歩いている。誰も帰ろうとしない。
「グ〜ッ」
篝のお腹がなった。みんな顔を見合った。
「ラーメンでも食べる」
篝が言った。
「そうね。食べようか」
智恵理が答える。
「よし、じゃ行こう!」
紗綾が音頭をとった。
「おう!」
なんか盛り上がった。
はじめてみんなと食事をした。楽しかった。
部活って楽しいものなんだと思った。
篝が餃子を頼んだ。それをひとり一個ずつ分けた。
連帯感ってこんなもの何だろうか、そういえば今まで考えたことなかった。
高校生活がこんなにも楽しいものになるとは思ってもいなかった。
これも篝のおかげだ。
どっちかというと嫌なことのほうが多いのに今回ばかりは違ったような気がした。
まだ終わってはいないけど、絶対に楽しいものになると確信した。



つづく