翌朝、篝を起こしに行った。
布団を頭までかぶりグッスリ寝ている。無防備だ。
そっと布団をめくり、顔をじっと見てみる。無邪気な寝顔だ。                                           
「篝、篝起きて、朝ですよ。篝!」
「うううんんん」
少し呻いただけだった。
「篝、起きないと遅刻するよ!」
まあ、普段からこんなことでは起きない篝だから。
一気に布団を捲り、篝の身体を起こした。それでもまだ目を覚まさない。
「篝!」
耳元で大きな声を出す。
一回では起きない。
「篝!」
「うるさいなぁ」
やっと反応した。ここでやめたら篝は起きない。
「篝、起きて。朝だよ!」
「えええええ、もうちょっとだけ」
「だめだよ!」
今度はベッドから出し、服を着替えさせる。
「ちょっと、ちゃんとしてよ。もう起きてるんでしょ」
「・・・・・ばれてた」
「当たり前じゃない。それぐらいすぐ分かるわよ」
「さすが陽子ちゃん」
わざと身体を預け、体重をかけてくる。
「ちょっと、ちょっと」
そのまま倒れるふたり。
「勘弁してよ。ちゃんと支えてよね」
「それはこっちの台詞でしょ」
朝から、大変手のかかる娘だこと。



つづく