紗綾を見た。珍しく笑顔は無かった。
「アクアの技術で帰るしかないわね」
「えええええええ、どうして?あの公園から帰れないの?」
「それは、ちょっと無理かな。第一篝ちゃん、意識がまだ戻ってないし」
「オブってでもだめ・・・・?」
「うん、無理!」
愛葵を見た。
「分かりました・・・・。調整してみます」
と言ってどこかに行ってしまった。
不安でいっぱいだった。ちょっとすると押しつぶされそうな感覚があった。
(紗綾・・・・あなた、神様なんでしょ。神様だったら・・・・)
紗綾からテレパシーの返事は無かった。
篝に取り付けてある機械からは同じ波形が繰り返し送られてきていた。
なんで、こんなことになったの?どうして・・・・?
紗綾は黙って目を瞑っていた。
 暫くして、愛葵が戻ってきた。
「ごめんなさい。すぐに返してあげたいんだけど・・・・
先ほどの超災害でマシントラブルが起きたの・・・・修復に2・3日はかかるみたい」
「えええええ、そんなに・・・・」
「・・・・仕方ないわね・・・・」
「どうするの?」
「待つしかないわ」
「待つの?」
「そう」
「ごめんなさい。出来るだけ急がせるから」
「お願い」
何故か紗綾が大人に見えた。
紗綾が篝をじっと見つめた。


つづく