翌日に事件は起きた。
篝が喉に包帯をしてきた。声が全く出なくなったらしい。
落ち込む篝。その気持ちの波動をうけて超災害が起きてしまった。
紅愛のところに早速報告が届いた。
九州地区に震度3の地震発生。
昼休憩に緊急会議が行われた。
出席者は、紅愛、智恵理、私、霧島陽子の3人。紗綾は登校してなかった。
「これはどういうこと?昨日の夜は普通に話してたのよ?」
「災いだわ」
智恵理が冷静に言った。
「ホント?」
「多分・・・・機関でもちゃんと調べてみるけど」
「ここのところ何にも無かったでしょ」
「うん」
「そろそろだとは思っていたんだけど。まさか、こういう形で現れるとは」
「思ってなかったってこと?」
「そう」
「過去のデータを見る限り、本人の身体に災いが起こったケースはないのよ」
「ええ、じゃあ、初めての・・・・」
「だから、これが何を意味しているのかは全くわからない」
さすが国連の方。よくお調べになっていること。
でも、このまま篝の声が出なかったらそれこそ大変なことになる。
どうすればいいのか?考えないと・・・・。
「そうだ。紗綾だ」
叫んでいた。
「魚吹さん?」
「そうそう、彼女ってなにものかわからないの?」
智恵理が言った。
「経歴書はあるんだけど、それ以上は調べられないの」
「どういうこと?」
「調べていると、いつもなにかに邪魔されてしまうの。だから、家も確かめられないの」
「そんなことしていたんだ!」
ドアのところに紗綾が立っていた。
「だめだよ。そんなことしちゃ。人には知られたくない事山ほどあるんだから」
「・・・・いつのまに・・・・」
驚いている智恵理。
「さすが、忍者」
紅愛は感心していた。
本当に気配を消すのがうまい宇宙人?神様?どっちでもいいや、
本当のことは教えてくれないんだし。
「ねえ、篝の声が出なくなったの?理由わかる?」
「うーん一言でいうと、災いってやつだね」
「やっぱり、災い・・・・解決方法はあるの?」
「ないこともない」
「あるんだ!」
「でも直接関われるのは陽子ちゃんだけ」
「ええええええええええ、また私・・・・」
「しょうがないよね」
「なぜ、あなたにそんなことがわかるの?」
智恵理が冷静に聞いてきた。
「ごめんね。言えないの」
出た、出た、いつものやつ。不思議そうに紅愛も見ている。
「それよりどうすれば・・・・」
というところでチャイムが鳴った。
「後は放課後に・・・・」
と、言って紗綾が出て行った。紅愛も智恵理も出て行った。
最後に鍵をかけ教室に戻ると、紗綾と智恵理の姿は無かった。
ちなみに篝は、保健室で一時限目からずっと就寝中だ。
よく寝れるものだと感心する。
午後の授業は頭の中に入ってこなかった。
放課後に、紗綾がなにを話してくれるのかそれだけが心配だった。



つづく